ごみを漁るカラスさん、
収集車が来るまで、ごみ置場からちょっと遠ざかってもらえませんか、
そんなあなたの願望を叶えます!
ごみ置場に設置したカメラにより、ごみを漁るカラスを自動で認識後、ちょっと離れた所にあるマヨネーズスピーカーが「こっちに大好物のマヨネーズがあるよー」とカラス語でおびき寄せ、ごみ収集まで、囮となるマヨネーズ。それがカラスマヨネーズ。
餌付けにならないよう、ゆくゆくはカラスが来たらマヨネーズが逃げるなどの仕組みにバージョンアップする予定です。
【カラスマヨネーズとは?】https://goo.gl/5KEIal <<-スライドです。
マヨネーズ容器型のスピーカを使って、カラスの行動をコントロールするための装置です。特定の場所にカラスが近づくと、離れた場所に設置したマヨネーズ容器型スピーカーよりカラスの音声が再生され、誘引・困惑させます。カラスに立ち入ってほしくない場所からの誘導や立入ってほしくないタイミングで囮(おとり)としてカラスを惹きつけます。
「カラスと対話するプロジェクト」では、カラス同士の擬似会話状態をつくるため、陸と空のサイボーグカラスの開発を行っています(2015年末にクラウドファンディングで資金調達 https://academist-cf.com/projects/?id=21 )。今回は人工知能APIを使って、カラス対話システムの自動化を試みます。
【なぜカラスマヨネーズにカラスは惹き寄せられる?】
カラスはマヨネーズが大好物です。それはエネルギーを得るという理由もありますが、羽の防水対策にマヨネーズは欠かせない食料だからです。マヨネーズの脂肪分はカラスの身体に蓄積され、やがて尾羽の付け根にある尾腺と呼ばれる器官から脂として分泌されます。カラスはそれを嘴で拭い取り、全身の羽に塗りたくり、防水コーティングをします。脂が取れず、防水コーティングができないカラスは、雨に濡れ、体を保温できず、徐々に体力を奪われ、やがて死に至ります。脂を摂取できるか否かは、カラスにとっては生きるか死ぬかの大問題なのです。
一方、カラスは鳴き声による音声コミュニケーションが非常に発達してます。どこの誰か?今何をしているか?多種多様な鳴き声を操り、姿が見えない遠くの相手と巧みにコミュニケーションをとっています。そこで、マヨネーズ容器に仕込まれたスピーカーから、マヨネーズがここにあるよ!という意味を持った鳴き声を流すことで、遠くのカラスにマヨネーズを発見させ、さらに実際のマヨネーズで誘引するという仕掛けがこの「カラスマヨネーズ」なのです。
【カラスと対話するプロジェクト】
従来のカラス対策は、脅しなど一方通行のアクションが主流で、それはいずれ慣れてしまうことで効果が長続きしないことが課題でした。カラスマヨネーズは、私たちのチーム名でもある「カラスと対話するプロジェクト」における、都市型カラス行動誘発システムの一部です。発達したカラスの対話能力や社会性を逆手に取り、主に音声でカラスと対話をすることで、カラスの行動をコントロールします。
マヨネーズの他にも、カラス音声ドローンやカラスサイボーグ同士が会話をすることで、よりカラス社会に近いコミュニケーションを再現し、カラスの行動をより効果的にコントロールすることを目指しています。カラスを完全に人間社会から放逐するのは現実的ではありませんが、このようなシステムを介在させることで、ごみ捨て場や収穫前の農場など、特定の場所や時期にカラスを忌避・あるいは意図した場所への誘引を試みます。
【最終目的はカラスとの共生】
カラスとおしゃべりしたい。
そんな願望を叶えるべく、人工知能などの情報技術を活用して、音声を始めとするカラスの行動を自動的に記録・解析分類して、カラスの音声を理解することで、より効果的な対話ができると考えています。そして、カラスと人間との新たな共存関係ができると考えています。
また、カラスの様々な行動が深層学習によって詳細に認識・理解されることで、人間の生活圏に広く生息するカラスをIoT端末とした環境センシングを行い、技術を介した人間と動物、環境との対話ができるようになるかもしれません。
本プロジェクトは、カラスを騙し対話するドローンやサイボーグを開発することを目標としています。カラスマヨネーズでは、人間の生活環境に住むカラスの鳴き声や振る舞いを大量に集め、カラス語を理解するための第一歩となります。やがてカラス語を理解した対話システムは、ドローンやサイボーグとして、カラスの対話の文脈に沿ったカラスと、またはシステム同士との対話を自動的に行い、カラスとの共生が可能になると考えています。
更には、カラスと対話ができるようになった結果、共生をめぐる新たな問題が出てくる可能性もあるかもしれませんが(下記【あらまし】参照)。
【あらまし】
---2xxx年---
年に一度、日本の都市部では「カラスマヨネーズ祭」と呼ばれる、カラスとの共存を祈願する祭りがある。カラスの集まる場所に彼らの声をおうむ返しするマヨネーズボトルを置き、反応を楽しむのだ。
人間は歴史上2回ほど、古代と21世紀ごろにカラスと対話ができる時代があった。
しかし過去の2回とも、生活場所や地位を巡って人間とカラスとの紛争が勃発、カラスは人間に行動を悟られぬよう、当時とは全く違う対話手段で話すようになってしまった。21世紀からの対話時代以降、現在カラス語は未だに解明されていない。
なぜマヨネーズか? カラスが人間の知恵を応用し、蓮の葉の表面のように羽毛を細かく毛羽立たせ、体を防水するように毛繕いをするようになる前、当時のカラスにとってマヨネーズは体を防水化するため、油を体内に効率良く摂取するための重要な食料だったのだ。しかしそれ以降、防水にマヨネーズが不要になった彼らと人間との利害関係が歪み21世紀以降続いた対話時代は終わった。
21世紀初頭、カラスがマヨネーズに執着することに注目した日本人がマヨネーズを介してカラスと対話をする方法を発明、次第にカラス語が解明されるようになってからは、カラスが人間の落し物を探したり、地震や渋滞の予知をしたりと、共存共栄していた。その時のカラスへの見返りがマヨネーズだった。これがカラスマヨネーズ祭の由来だ。